相続した家の処分に困っている人必見!空き家バンク

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今回とりあげる法律相談はこちら―――。

400万円もの借金があって、このままだと完済できる気がしません。ただ、保証人がいるので、できれば破産はしたくありません。また、破産をするにはもう1つ心配なことがあって……。私の田舎には父母の遺した家があります。古い家なので価値はないに等しいと思っていますが、不動産があると破産ができないと聞きました。

相続財産がある場合の破産手続きについては、こちらの記事で解説します。
今回は、ご両親の遺した家を売却する方法として「空き家バンク」制度をご案内します。
もし家を100万、200万円で売却できれば、借金返済の負担が軽くなるでしょう。

空き家バンクとは

空き家バンクとは、空き家を売却・賃貸したい人からの情報を集約して、移住希望者を中心とした空き家を購入・賃借したい人に向けて提供するサービスです。

全国的に所有者が亡くなるなどして管理できなくなった物件が増え、空き家の処分に困っている人が大勢います。
しかし、特に過疎地域では不動産業者が少なく、空き家を売るのは簡単ではありません。

そこで、自治体や自治体の依頼を受けたNPO法人がその地域の活性化のために空き家バンクを運営しているのです。
国土交通省が2017年に実施したアンケートによると、約80%の自治体が空き家バンクを設置済み・設置予定であると回答しました。

参照:「全国版 空き家・空き地バンク」の仕様並びに参画方法等について|国土交通省

空き家バンクのメリット・デメリット

空き家バンクで売却・賃貸するとき、次の2点がメリットとして挙げられます。

  1. 登録料不要で買い手・借主を見つけられる可能性がある
  2. 賃借料・売却料を自分で決められる

ご自身で売却することのできない家でも情報を広く発信すれば、売却・賃貸できる可能性があります。もっとも、弁護士や宅建業者に売買契約・賃貸借契約の締結を依頼した場合には、仲介手数料などが発生するので、完全に無料で取引できるわけではありません。

これに対して、空き家バンクで売却・賃貸するには、次の2点のデメリットがあります。

  • 売買や賃貸に関する手続きは自己責任
  • 固定資産税は貸主負担、売却の際にも売却した年まで売主負担

空き家バンクを運営している自治体の仕事は、あくまでも情報発信です。
そのため、購入・賃借希望者の内覧の対応をはじめとして、手続きは全て自分で行います。
自治体によっては不慣れな人のために、不動産業者を仲介させている場合もあります。

空き家バンクで売却・賃貸するまでの流れ

未登記の不動産を売却・賃貸するとトラブルのもとになりかねませんので、相続した不動産を空き家バンクに登録する前に、きちんと所有権移転登記を行いましょう。

  1. 空き家を売りたい自治体で空き家バンクの登録申請をします
  2. 自治体の担当者が物件の状態について現地調査を行います
  3. 自治体のホームページなどで空き家の情報が公開されます
  4. 入居希望者が現れたら契約締結に向けて交渉をします
  5. 入居の条件で合意ができたら入居を開始します

借金を抱えている人が不動産を売却する際には、2社以上の、できれば大手の不動産会社に査定をお願いして適正な価格で売却することを心がけてください。

参照:空き家バンクの目的・現状・課題|一般財団法人 土地総合研究所

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この記事の監修弁護士
谷崎 翔
弁護士 谷崎 翔

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