「別居中の配偶者からの連絡がきたけど、怖くて中身が見られない…」
そのような気持ちを抱いてはいないでしょうか。
別居中とはいえ配偶者ですので、子どものことやお金のことなど、さまざまな内容の連絡があるでしょう。
しかし、連絡の中身次第では、適切な対応を求められるものもあります。
適切に対処しないと、離婚条件の交渉などで不利になってしまうことがあるため、注意が必要です。
別居中の配偶者から連絡がきた方は、配偶者からの連絡に対する適切な対処法を知っておきましょう。
そこでこのコラムでは、別居中の配偶者から連絡がきた際の対処法などについて弁護士が解説します。
【ケース別】別居中の配偶者からの連絡とその対処法
別居中に突然、配偶者やその弁護士から連絡がくることは少なくありません。
たとえば、次の3つのようなケースです。
- 別居中の配偶者から「夫婦関係をやり直したい」と連絡がきた
- 別居中の配偶者から「離婚協議をしたい」と連絡がきた
- 弁護士から「受任通知」がきた
では、それぞれについての対処法をご紹介します。
(1)別居中の配偶者から「夫婦関係をやり直したい」と連絡がきた
別居中の配偶者から、次のような内容の連絡がくるケースがあります。
「やり直したい」
「何か不満があるなら直す」
「戻ってきてほしい」
このような連絡がきたら、まずは自分の心と向き合い、夫婦関係をやり直したいのか考えてみてください。
あなたに夫婦関係をやり直す意思があるかどうかで、対処法が変わってきます。
(1-1)夫婦関係をやり直す意思があるとき
あなたに夫婦関係をやり直す意思があれば、なぜ別居になったのか、夫婦関係をやり直すためには何が必要なのかを夫婦で話し合いましょう。
ここで話合いをせずに、なんとなく別居を解消してしまえば、配偶者は「ほんの気まぐれで別居しただけなんだ」と事態を軽く見てしまいかねません。
話合いのポイントは次の3つです。
- 自分が不満に思うことをしっかりと伝える
- 今後はどのような対応を期待しているか、具体的に伝える
- 配偶者の浮気が別居の原因の場合は、浮気相手との関係の解消や二度と浮気をしないことを求める
配偶者の浮気が別居の原因であれば、「謝っているのだから、浮気相手とは別れたのだろう」と配偶者の言葉をそのまま信じてしまうことはおすすめできません。
なぜなら、隠れて関係を継続しているケースもよくあるからです。
浮気相手との関係の解消を目に見える形で求め、配偶者と浮気相手それぞれにけじめをつけさせると効果的です。
たとえば、配偶者が浮気相手との関係を断ち切るよう、配偶者や浮気相手に「接触禁止」の誓約書を書かせるといった方法があります。
(1-2)夫婦関係をやり直す意思がないとき
あなたに夫婦関係をやり直す意思がなければ、配偶者にその意思を伝え、離婚に向けた準備を行いましょう。
たとえば、次のようなことを検討しておく必要があります。
- 経済的に自立が可能か
- 離婚の際に請求できるお金にはどのようなものがあるか
- 公的支援や手当にはどのようなものがあるか
特に、専業主婦(夫)の方など、配偶者の収入に頼って生活していた方は、離婚後の生活についてしっかり考えなければなりません。
準備をせずに離婚してしまうと、経済的な理由から離婚を後悔するケースもあります。
【別居だけでは離婚はできない?その理由とは】
配偶者が離婚に応じてくれないため、離婚を求めて別居を選択している場合もあるでしょう。
しかし、別居だけでは離婚できない可能性があります。
そもそも、配偶者がなかなか離婚に応じない場合、最終的には離婚を認めてもらうための裁判をすることになります。
その場合、民法で定められている次の5つの離婚理由のどれかが必要です。
• 配偶者に不貞な行為があったとき(例:肉体関係のある不倫・浮気など)
• 配偶者から悪意で遺棄されたとき(例:生活費をくれないなど)
• 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
• 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
• その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
長期間の別居があれば、「その他婚姻の継続し難い重大な事由があるとき」にあたるとして、離婚が認められる可能性があります。
しかし、別居期間がおよそ5年(目安)に満たない場合、裁判で離婚が認められるためには、別居以外の離婚理由が必要となるでしょう。
詳しくは「離婚に必要な5つの理由」をご覧ください。
離婚を検討中の方は「離婚問題の知識と法律」もご覧ください。
(2)別居中の配偶者から「離婚協議をしたい」と連絡がきた
別居中の配偶者から「離婚協議をしたい」という内容の連絡がくるケースもあります。
ここでは、どういった方法で連絡がきたか、2つの場合に分けて説明します。
- 電話やメール、手紙で「離婚協議をしたい」と連絡がきた
- 内容証明郵便で「離婚協議をしたい」と連絡がきた
本当は離婚にするつもりがなくても、直接話せばあなたを説得できると考え、あなたを呼び出す口実として、「協議離婚をしたい」と言っている可能性もあります。
配偶者と2人きりで話すことが不安な場合などには、信頼できる人に同行してもらったり、弁護士に相談したりすることをおすすめします。
(2-1)電話やメールで離婚条件を提示されたとき
電話やメールなどで連絡がきたとしても、すぐに対処しなければ不利になることは基本的にありません。
むしろ、ここで焦って提示された離婚条件で合意してしまったり、下手なことを言ってしまったりするリスクのほうが大きいと考えられます。
焦って直接連絡してしまう前に、提示された離婚条件は適切なのか、自分はどうしたいのかをきちんと考えてから対応するようにしてください。
弁護士に依頼する予定であれば「正式に依頼次第、弁護士から連絡するので現時点では回答を差し控えたい」とだけ伝えるとよいでしょう。
(2-2)内容証明郵便が届いたとき
そもそも「内容証明郵便」とは、日本郵便が行う郵便サービスの一種で、差出人、名宛人、送った文書の内容を郵便局が証明してくれます。
内容証明郵便が届いた場合であっても、それだけでただちに何らかの法的義務が生じることはなく、必ずしも他の連絡手段に比べて緊急性が高いとはいえません。
ただし、内容証明郵便で連絡がくる場合、電話やメール、普通郵便の場合よりも配偶者の本気度は高いと考えられます。
また、受取り記録や、受取りを拒否した記録が残ることになるため、より慎重な対応が必要といえるでしょう。
(3)弁護士から受任通知がきた

では、配偶者本人ではなく、配偶者から依頼を受けた弁護士から受任通知が届いたケースを見てみましょう。
そもそも、「受任通知」とは、弁護士が依頼を受けたことを相手に通知するものです。
突然、弁護士から連絡がくると、驚いてしまうかもしれませんが、慌てず冷静になって対応することが重要です。
弁護士から受任通知がきた場合に注意すべきポイントは次の3つです。
(1)弁護士からの受任通知や連絡は無視しない
(2)配偶者に直接連絡しない
(3)弁護士からの提案にその場で回答しない
それぞれ説明します。
(3-1)弁護士からの受任通知や連絡は無視しない
弁護士からの受任通知や連絡を無視すると、相手方は交渉の余地なしと考え離婚調停などの法的手続を進める可能性があります。
そのため、弁護士が提示する回答期限以内に何らかの回答をするようにしてください。
弁護士からの連絡内容の妥当性を冷静に判断し、回答書(見解・反論など)を準備できればベストですが、それが難しい場合には、「回答を待ってほしい」と伝えるだけでもかまいません。
また、弁護士に依頼を検討している場合には、「弁護士へ依頼を検討しているので待ってほしい」と伝えるとよいでしょう。
なお、弁護士からの受任通知や連絡を無視し続けると、のちのち離婚調停や裁判となった場合に、「誠実な対応がなかった」として不利に働く可能性があります。
(3-2)配偶者に直接連絡しない
受任通知では、「今後は弁護士が交渉の代理人となるから、配偶者本人には接触しないこと」を求められることがほとんどです。
それにもかかわらず「裁判なんてとんでもない!話せばわかってくれるはず」などと判断し、配偶者に直接連絡しないようにしましょう。
配偶者の弁護士の求めに反して配偶者に連絡すると、弁護士から抗議を受けたり、離婚条件の交渉や調停・裁判で不利になってしまったりするリスクがあります。
(3-3)弁護士からの提案にその場で回答しない
受任通知に応答をすると、相手の弁護士が対面や電話での話合いを申し出てくることがあります。
しかし、弁護士からの提案にその場で回答することはおすすめできません。
離婚条件についてしっかりと検討しないまま離婚協議を成立させてしまうと、あとから離婚協議をやり直すことは原則としてできないためです。
対面で離婚協議書などの書面にサインを求められた場合であっても、その場ではサインしないことをおすすめします。
別居中の配偶者との交渉は、弁護士に相談・依頼するとよい
弁護士への依頼は、トラブルが起きてからと思っているかもしれません。
しかし、円満離婚を望んでいる場合であっても、弁護士に相談・依頼することをご検討ください。
特に、配偶者が弁護士に依頼している場合には、自分も弁護士に依頼することをおすすめします。
次に、離婚を弁護士に依頼するメリットと弁護士を選ぶポイントを説明します。
(1)弁護士に離婚を依頼する3つのメリット
弁護士に離婚を依頼するメリットは、主に次の3つです。
弁護士が代理人となることで、配偶者が離婚協議に応じる可能性が高まる
配偶者が離婚を拒否している場合、そもそも話合いにすら応じてもらえないことも少なくありません。
その点、弁護士が相手であれば、配偶者も話合いの場に出て来ないわけにはいかないと考えることが多いようです。
また、調停や裁判に進むことを意識せざるを得ないため、それならば当事者間の話合いで解決しようと、離婚に向けた話合いが前進することもあります。
有利な離婚条件で合意できる可能性が高まる
弁護士であれば、配偶者の提示する離婚条件が不当なものではないか判断できるた
め、そうとは知らずに不利な条件で離婚してしまうリスクを回避できます。
また、離婚協議書の作成も任せられるため、あとになって離婚条件についての無用な
トラブルが発生することを防止する効果も期待できるでしょう。
配偶者と直接交渉するストレスを軽減できる
離婚についての話合いは、感情的に対立する場面も多く、精神的に大きな負担となることが多いです。
また、夫婦間の力関係から、配偶者に恐怖を感じる、顔も合わせたくない、などと感じる方も多いでしょう。
弁護士に依頼すれば、交渉窓口は基本的に弁護士になりますので、精神的な負担を大いに軽減できると考えられます。
(2)弁護士を選ぶ4つのポイント
今から弁護士に依頼することを考えている方のため、最後に弁護士選びのポイントを挙げておきましょう。
弁護士選びの主なポイントは、次の4つです。
(1)離婚問題に精通しているか
(2)誠実に対応してくれるか
(3)費用体系が明確かどうか
(4)円滑にコミュニケーションがとれるかどうか
まだ依頼するか決めていなくても、まずは気軽に相談してみることをおすすめします。
【まとめ】別居中の配偶者からの連絡にお悩みの方は弁護士にご相談ください
別居中に配偶者から連絡があった場合、動揺することがあるかもしれません。
それでも、自分が離婚の際に不利な立場にならないよう、適切な対応をとりたいものです。
しかし、別居中の配偶者からの連絡に直接応じることが苦痛であれば、弁護士に依頼して代わりに交渉してもらうとよいでしょう。
弁護士に依頼すれば、以後は弁護士が代理人として配偶者との交渉・連絡の窓口になってくれます。
離婚したくて別居しているものの、配偶者からの連絡に困っているなど、離婚問題でお悩みの方は、離婚問題を積極的に取り扱っているアディーレ法律事務所にご相談ください。
どのようなことに関しても,最初の一歩を踏み出すには,すこし勇気が要ります。それが法律問題であれば,なおさらです。また,法律事務所や弁護士というと,何となく近寄りがたいと感じる方も少なくないと思います。私も,弁護士になる前はそうでした。しかし,法律事務所とかかわりをもつこと,弁護士に相談することに対して,身構える必要はまったくありません。緊張や遠慮もなさらないでくださいね。「こんなことを聞いたら恥ずかしいんじゃないか」などと心配することもありません。等身大のご自分のままで大丈夫です。私も気取らずに,皆さまの問題の解決に向けて,精一杯取り組みます。